2023年度国際フォーラム開催
物質・情報卓越教育院(TAC-MI)は、12月4日~6日まで2023年度の国際フォーラムを大磯プリンスホテル(神奈川県中郡大磯町)で開催しました。社会サービスの実装を見据え、地球規模の視野を持った、産業界が期待する卓越した人材を育成するTAC-MIでは、国際コミュニケーション力の向上を図ることを目的として、学生が海外プログラム担当者(海外アドバイザー教員)や企業関係者、本学プログラム担当教員を前に司会進行や質疑応答、研究発表すべてを英語で行う国際フォーラムを毎年1回開催しています。
2023年度は、TAC-MIの登録学生40名に加え、TAC-MIの海外アドバイザー教員が指導する博士後期課程学生7名が海外から参加し、プレゼンテーションを行いました。3日間のフォーラムは、対面とZoomのハイブリッド形式で開催し、本プログラムの連携企業関係者や本学プログラム担当教員、TAC-MI学生など約130名が参加しました。

博士後期課程1年の学生による研究発表
12月4日と5日午前には、博士後期課程1年の学生15名と博士後期課程2年の学生1名が研究発表を行い、司会進行、タイムキーピングは博士後期課程2年生が担当しました。発表は1人あたりプレゼンテーション15分、質疑応答5分の持ち時間で進行しました。 国際フォーラムでの博士後期課程1年の研究発表は、本教育院登録学生の関門の一つである「博士論文研究基礎力審査(Qualifying Examination)」の一部を兼ねています。この発表を行う学生は、それぞれの研究の意義と成果についてのプレゼンテーションを行い、発表後には活発な質疑応答が行われました。
博士後期課程2年の学⽣と海外学生による研究発表
12月5日午後と6日午前には、博士後期課程2年の学⽣17名と海外学生6名が研究発表を行いました。発表は1人あたりプレゼンテーション7分、質疑応答4分の持ち時間で進行しました。 博士後期課程2年の学生はTAC-MIで得た学修成果を活用して、専門分野の枠を超え、自らの博士論文研究とは異なる課題を自主的に設定する⾃主設定論⽂の研究の進捗状況を発表しました。自身の専門とは異なる研究室に2週間程度滞在し研究を行う「物質情報異分野研究スキル」や海外インターンシップなどを活用して論文を作成し、博士後期課程2年の6月の成果発表会もしくは12月の国際フォーラムにて、研究の進捗状況を発表した上で、博士後期課程修了時までに研究結果を報告します。今回は6月に報告を行った学生を除く17名が進捗発表を行い、出席者からのフィードバックを受けました。




海外アドバイザー教員による講演
12月4日~6日の国際フォーラム期間中に、本プログラムの海外アドバイザー教員7名が講演を行いました。
講演者 | 講演タイトル |
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Peter Grutter教授 マギル大学(カナダ) | Characterizing defects at semiconductor interfaces and 1/f noise |
M. Michael Gromiha教授 インド工科大学マドラス校(インド) | Binding affinity of protein-carbohydrate complexes: computing meets experiments |
LIU Wei准教授 北京師範大学(中国) | Psychology-Driven Interaction Design |
Natt Leelawat准教授 チュラーロンコーン大学(タイ) | Business Continuity Management and the Emerging Risks |
Sergei Kazarian教授 インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス) | ATR-FTIR spectroscopic imaging: from cancer detection to analysis of pharmaceuticals |
Christopher Kemper Ober教授 コーネル大学(アメリカ) | Can polymer sequence play a role in photoresists for EUV lithography? |
Xu-Ming Xie教授 清華大学(中国) | Intelligent Network Structured Flexible Materials |







学生たちは自身の強みや弱みを把握することを目的として、⾃主設定論⽂研究の進捗状況発表後に、この講演を行った海外アドバイザー教員たちと面談しました。時差などの関係で参加できなかった海外アドバイザー教員は、後日に発表の様子を録画で見て、オンラインで学生との面談を行いました。
授賞式
博士後期課程1年の学生の研究発表および海外の学生の研究発表に対し、すべての発表を聞いた参加者による投票を行い、最も票の多かった学生にベストプレゼンテーション賞が、続いて票が多かった学生にグッドプレゼンテーション賞が6日の授賞式で贈られました。
博士後期課程1年 研究発表・受賞者
ベストプレゼンテーション賞 | 登倉 大貴(生命理工学院・生命理工学系) |
グッドプレゼンテーション賞 | 樋口 龍生(物質理⼯学院・材料系) 丸井 莉花(物質理⼯学院・材料系) 于 佳彤 (物質理⼯学院・応⽤化学系) |
海外学生研究発表・受賞者
ベストプレゼンテーション賞 | Catherine Boisvert(マギル大学(カナダ)) |
グッドプレゼンテーション賞 | Chaoqiuyu “Rachel” Wang(コーネル大学(アメリカ)) Fathima Ridha (インド工科大学マドラス校(インド)) |




企業メンターとの面談
TAC-MIでは1人の学生に対して1人の企業メンターがつき、教育院登録当初から修了まで継続的に見守っていく制度があり、研究発表後に学生たちは企業メンターと面談し、研究や発表、キャリアパスなど様々なアドバイスを受けました。
海外や企業の方々との交流を深める
本フォーラムの3日間でTAC-MIの学生は食事の時間やフリータイムの時間を使い、海外学生や参加した本学教員や海外アドバイザー教員、企業関係者などと交流を深めました。 今後も物質・情報卓越教育院では、イベントを通して、社会サービスの実装を見据え、地球規模の視野を持った、産業界が期待する卓越した人材を育成していきます。