活動報告

2023年度博士後期課程学生の成果発表会開催

物質・情報卓越教育院(TAC-MI)では、6月27日に、博士後期課程学生の成果発表会を大岡山キャンパス ディジタル多目的ホールで開催しました。2019年4月に大学院教育プログラムとして本格的に始動してから5年目となる今回の成果発表会は、対面とZoomのハイブリッド形式で開催し、本プログラムの連携協力機関である企業関係者や本教育院のプログラム担当者、協力教員、学生など、学内外から約120名が参加しました。

成果発表会 参加者集合写真

第1部 博士後期課程1年の学生による成果発表会

第1部の開会式では、物質・情報卓越教育院のプログラム責任者である関口秀俊物質理工学院長および物質・情報卓越教育院の副コーディネータである斎藤晋特命教授が開会のあいさつを行いました。続いて、博士後期課程2年の学生による司会進行により、博士後期課程1年の登録学生18名がこれまでの研究成果と今後の物質と情報を融合させた研究への発展等について発表を行いました。1人あたりプレゼンテーション7分、質疑応答4分の持ち時間で進められました。企業関係者や教員、先輩学生より活発な質疑があり、学生にとって自身の研究をアピールする良い機会となりました。様々な研究分野の参加者が集まるこの発表会は、多方面の研究分野の参加者に対し自分の研究を分かり易く説明し、様々な視点からのフィードバックを受ける良い機会となりました。

ディジタル多目的ホールでの発表会開会式
プログラム責任者の関口秀俊教授による開会挨拶
斎藤晋特命教授による開会挨拶
博士後期課程1年生による発表の様子
博士後期課程1年生による発表の様子

第2部 博士後期課程2年の学生による自主設定論文進捗発表

第2部では、物質・情報卓越教育院の松下雄一郎特任准教授の進行により、博士後期課程2年の登録学生による自主設定論文に関する進捗の発表を英語で行いました。自主設定論文は、自らの博士論文研究とは異なる課題を自主的に設定して研究します。自身の専門と異なる研究室に2週間程度滞在し研究を行う「ラボ・ローテーション」や海外インターンシップなど、TAC-MIで得た学修成果なども活用します。自ら設定した課題に対し、専門分野の枠を超え、物質と情報を用いた複素的な新しい考え方を持つ独創的な研究を自立的に行う能力を身につけることが目的です。登録学生は、博士後期課程2年の6月の成果発表会もしくは12月の国際フォーラムにて、英語で研究の進歩状況を発表した上で、博士後期課程修了時までに、実施した研究結果を論文にまとめます。今回は今年度発表を行う予定の博士後期課程2年生のうち5名が発表を行いました。

博士後期課程2年生による自主設定論文進捗発表
参加者による活発な質疑応答

TAC-MI優秀特別賞の表彰

第1部、第2部に続き「TAC-MI 優秀特別賞」の表彰を行いました。この賞は、昨年度から新たに始まった制度で、特筆すべき成果(受賞成績や顕著な研究業績)をあげた学生に対して年1回表彰するとともに、副賞として追加の経済支援を行います。厳正なる審査の結果、3名の学生が受賞しました。

<TAC-MI 優秀特別賞 受賞者>

福永 悠(理学院 化学系 博士後期課程3年)
杉浦 開(物質理工学院 応用化学系 博士後期課程2年)
波多野 雄大(環境・社会理⼯学院 土木・環境工学系 博士後期課程1年)
TAC-MI 優秀特別賞を受賞した杉浦さん、後藤敬教授、波多野さん

企業メンターとの面談

研究発表が終わった後、コラボレーションルームとメディアルームにて、博士後期課程の学生と企業メンターとの面談を行いました。本教育院では1人の学生に対して、1人の企業メンターがつき、教育院登録当初から修了まで継続的に見守っていきます。今回は、博士後期課程の学生56名が企業メンターと面談を実施しました。学生たちは自分の強み弱みを把握するだけでなく、研究や発表、キャリアパスなどの様々なアドバイスを受けることにより、研究やプレゼンテーション力、キャリア形成に活かすことができます。

連携する企業関係者の感想

発表会後の企業アドバイザー連絡会では、発表を聞いた企業関係者から発表学生へ多くの意見や感想が寄せられました。企業関係者から寄せられた感想を紹介します。

  • オンライン発表に慣れていた昨年度の発表会に比べると、今回は、リアルの聴衆に向けて、しっかりとアピールするプレゼンができていました。聞いていて楽しかったですし、非常に安心しました。やはりリアルで実施する発表会が良いと改めて感じました。
  • 7分という短い発表時間に見合った情報量に絞り、分かりやすい説明ができている学生には、非常にプレゼンテーションスキルを感じました。
  • 東工大の博士課程の学生のレベルの高さを実感しました。学生が活発に質疑をしていることが印象的でした。
  • 発表は研究の背景から丁寧に説明していたので、専門外の発表でも分かりやすかったです。博士課程のうちに専門外・学外の聴衆へ発表することは、プレゼン力向上にとって重要な機会と思います。

本発表会の最後には、意見交換会を開催し、企業の方と学生、教員が交流を深めました。また、面談や意見交換会だけでなく、発表後に寄せられた学生へのフィードバックシートを通じて、企業の方からアドバイスを受ける機会は、学生にとって貴重な経験となりました。

今後も物質・情報卓越教育院では、イベントを通して、社会サービスの実装を見据え、地球規模の視野を持った、産業界が期待する卓越した人材を育成していきます。

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連絡先 東京科学大学 物質・情報卓越教育院事務室
tac-mi[at]jim.titech.ac.jp