2024年度博士後期課程学生の成果発表会開催
物質・情報卓越教育院(TAC-MI)では、2024年6月5日(水)に、博士後期課程学生の成果発表会を大岡山キャンパス ディジタル多目的ホールで開催しました。2019年4月に大学院教育プログラムとして本格的に始動してから6年目となる今回の成果発表会は、対面とZoomのハイブリッド形式で開催し、本プログラムの連携協力機関である企業関係者や本教育院のプログラム担当者、協力教員、学生など、学内外から約120名が参加しました。
第1部 博士後期課程1年の学生による成果発表会
第1部の開会式では、物質・情報卓越教育院の山口猛央教育院長および物質・情報卓越教育院のプログラム責任者である関口秀俊物質理工学院長が開会のあいさつを行いました。続いて、博士後期課程2年の学生による司会進行により、博士後期課程1年の登録学生25名がこれまでの研究成果と今後の物質と情報を融合させた研究への発展等について発表を行いました。1人あたりプレゼンテーション7分、質疑応答4分の持ち時間で進められました。企業関係者や教員、先輩学生より活発な質疑があり、学生にとって自身の研究をアピールする良い機会となりました。様々な研究分野の参加者が集まるこの発表会は、多方面の研究分野の参加者に対し自分の研究を分かり易く説明し、様々な視点からのフィードバックを受ける良い機会となりました。
第2部 博士後期課程2年の学生による自主設定論文進捗発表
第2部では、物質・情報卓越教育院の桑畑和明特任准教授の進行により、博士後期課程2年の登録学生による自主設定論文に関する進捗の発表を英語で行いました。自主設定論文は、自らの博士論文研究とは異なる課題を自主的に設定して研究します。自身の専門と異なる研究室に滞在し研究を行う「ラボ・ローテーション」や海外インターンシップなど、TAC-MIで得た学修成果なども活用します。自ら設定した課題に対し、専門分野の枠を超え、物質と情報を用いた複素的な新しい考え方を持つ独創的な研究を自立的に行う能力を身につけることが目的です。登録学生は、博士後期課程2年の6月の成果発表会もしくは12月の国際フォーラムにて、英語で研究の進歩状況を発表した上で、博士後期課程修了時までに、実施した研究結果を論文にまとめます。今回は今年度発表を行う予定の博士後期課程2年生のうち4名が発表を行いました。
TAC-MI優秀特別賞の表彰
第1部、第2部に続き「TAC-MI 優秀特別賞」の表彰を行いました。この賞は、昨年度から新たに始まった制度で、特筆すべき成果(受賞成績や顕著な研究業績)をあげた学生に対して年1回表彰するとともに、副賞として追加の経済支援を行います。厳正なる審査の結果、3名の学生が受賞しました。
<TAC-MI 優秀特別賞 受賞者>
大見 拓也(物質理工学院 材料系 博士後期課程3年)
成田 直生(理学院 化学系 博士後期課程2年)
本間 寛治(理学院 化学系 博士後期課程1年)
企業メンターとの面談
研究発表が終わった後、コラボレーションルームとメディアルームにて、博士後期課程の学生と企業メンターとの面談を行いました。本教育院では1人の学生に対して、1人の企業メンターがつき、教育院登録当初から修了まで継続的に見守っていきます。今回は、博士後期課程の学生58名が企業メンターと面談を実施しました。学生たちは自分の強み弱みを把握するだけでなく、研究や発表、キャリアパスなどについての様々なアドバイスを、研究やプレゼンテーション力、キャリア形成に活かすことができます。
連携する企業関係者の感想
発表会後のフィードバックシートでは、発表を聞いた企業関係者から発表学生へ多くの意見や感想が寄せられました。企業関係者から寄せられた感想を紹介します。
- どの発表も堂々としていて、レベルの高い発表でした。みなさんとても優秀だと思いました。特に自主設定論文の課題設定はチャレンジングで興味深かったです。情報科学をツールとして使っていることがすごいと思いました。説得力がありました。
- 短い発表時間の中、学生たちが上手くまとめいるのを感じました。昨年の発表に比べ、格段に上手になっている学生の進歩に驚きました。
- 聞きごたえがあり、社会課題も分かりやすい発表が多くなってきました。今後も引き続き、社会への大きなインパクトを与える研究に期待します。
本発表会の最後には、意見交換会を開催し、企業の方と学生、教員が交流を深めました。また、面談や意見交換会だけでなく、発表後に寄せられた学生へのフィードバックシートを通じて、企業の方からアドバイスを受ける機会は、学生にとって貴重な経験となりました。 今後も物質・情報卓越教育院では、イベントを通して、社会サービスの実装を見据え、地球規模の視野を持った、産業界が期待する卓越した人材を育成していきます。