2019年度ビジネスモデル討論合宿・国際フォーラム開催②
<後半>国際フォーラム
物質・情報卓越教育院(TAC-MI)では、12月2日~6日までヒルトン小田原リゾート&スパ(神奈川県小田原市)にて、ビジネスモデル討論合宿・国際フォーラム(TAC-MI 1st International Forum)を開催しました。
この討論合宿・国際フォーラムは、海外から参加した学生とのグループ活動を行い、自分自身の知識・経験から気付いた課題について、未来社会での解決策を考えることで、俯瞰力・リーダーシップ力を鍛えるものです。また、海外アドバイザー教員や企業関係者、本学プログラム担当教員を前に英語での研究発表を行うことで、国際コミュニケーション力の向上を図ることを目的として、毎年1回開催するイベントです。
今年度は、本教育院の博士後期課程の学生は全員参加、修士課程の学生は任意の参加として、合計26 名の学生が参加しました。また、物質・情報卓越教育院の海外プログラム担当者(海外アドバイザー教員)が指導する博士課程学生8名が海外から参加しました。12月4日(水)からは本プログラムの連携企業関係者や本学プログラム担当教員、海外アドバイザー教員など約60名がグループワークの最終発表会及び国際フォーラムに参加しました。

4日目午前 国際フォーラム
~海外アドバイザー教員による講演~
4日目の12月5日午前は、海外アドバイザー教員を招き講演会を開催し、先生方が率いるチームの研究成果についてご紹介いただきました。
講演者 | 講演タイトル |
---|---|
J. M. van Ruitenbeek教授 ライデン大学(オランダ) | 単一分子電子輸送の進歩と挑戦 Advances and challenges in single-molecule electron transport (スカイプ講演) |
Hans-Jürgen Butt教授 マックス・プランク研究所(ドイツ) | 接触角ヒステリシスの低い材料をめざして Materials for low contact angle hysteresis |
Peter Grutter教授 マギル大学(カナダ) | 原子間力顕微鏡によって得られるエネルギー持続可能性のための材料の超高速時間分解能およびナノメートル空間分解能 Ultrafast time and nm spatial resolution of materials for energy sustainability by atomic force microscopy |
Sergei Kazarian教授 インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス) | ポリマー、生体材料、動的システムへの分光イメージングの新たな応用 Emerging applications of spectroscopic imaging to polymers, biomaterials and dynamic systems |
Christopher Kemper Ober教授 コーネル大学(アメリカ) | 液晶材料中のイオン電子伝導性の計算・実験に基づく研究 Ionic-electronic conductivity in liquid crystalline materials– A computational /experimental study |
Xie Xu-Ming 教授 清華大学(中国) | マルチボンドネットワーク(MBN)手法によって作成された超強靭なハイドロゲル Super tough hydrogels created by Multi-bond Network (MBN) strategy |
Christel Laberty-Robert教授 ソルボンヌ大学(フランス) | バッテリーとその展望 Battery and perspective (スカイプ講演) |






本教育院では、海外アドバイザー教員との面談により自身の強み弱みを把握することを目的とした海外メンター制度があります。今回の国際フォーラムでは、5名の海外アドバイザー教員が参加し、12月4日及び6日の昼食の時間を利用し、物質・情報卓越教育院学生と海外アドバイザー教員との面談を行いました。面談の中で、研究発表を行った博士後期課程の学生に対して、海外アドバイザー教員からアドバイスと励ましの言葉がありました。
4日目午後・5日目午前 国際フォーラム
~学生による研究発表~
12月5日午後と、最終日の12月6日午前は、博士後期課程1年の物質・情報卓越教育院学生10名及び海外より参加した博士学生8名が、英語による研究発表を行いました。
発表及び質疑応答の内容は、本学及び企業のプログラム担当者が ①専門・基礎知識、②リーダーシップ力(プレゼン力、コミュニケーション力)、③課題解決力、④知のプロフェッショナルとしての資質、の4つの観点より評価し、ポイントが高い学生に表彰を行います。また、この研究発表は本教育課程の関門の一つである「博士論文研究基礎力審査(Qualifying Examination)」の一部も兼ねているため、学生は緊張の面持ちの中、自身のこれまでの研究の意義と成果についてのプレゼンテーションを熱心に行い、発表後には活発な質疑応答が行われました。
12月6日15時より行われた閉会式では、学生発表の評価で最もポイントの高かった物質・情報卓越教育院学生及び海外学生、各1名に「Best Presentation Award」が贈られました。



渡邊正理さんと山口教育院長

Pauline van Deursenさんと山口教育院長
企業メンターとの面談
国際フォーラム期間中、物質・情報卓越教育院学生と企業メンターとの面談も行われました。本教育院では1人の学生に対して、1人の企業メンターがつき、教育院登録当初から修了まで継続的に見守っていきます。学生は面談を通して、自身の強み弱み を把握するだけでなく、研究や発表、キャリアパスなど様々なアドバイスを受けました。
5日間を振り返って
5日間の合宿・国際フォーラムで、物質・情報卓越教育院の学生はグループワークをはじめ、食事の時間やフリータイムの時間を使い、海外学生との交流を深めました。また、学生だけでなく、参加した本学教員や海外アドバイザー教員、企業関係者など参加者全員が交流を深める良い機会となりました。これらは、新たな産学協創教育を進めていく上で、貴重な経験となりました。
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企画・実施委員会委員長からのコメント

企画・実施委員会委員長
科学技術創成研究院・准教授
関嶋 政和
企画・実施委員会では、TAC-MIの目指す複素人材育成に資するビジネスモデル討論合宿・国際フォーラムの在り様について議論を重ねました。現在の学生は大学院でもリベラルアーツに関する教育を受けており、これを受けた形で専門性と共に社会での問題設定と解決能力・国際性を磨くことを目指しました。期間中、海外から参加した初めて会う学生の皆さんと寝食を共にしつつ、建設的に議論を行い問題解決に取り組んでいく姿には頼もしさも感じました。 引き続き、複素人材の育成に向けたイベントの実施を行って参りたいと考えておりますので、参加を頂いた企業の皆様を始め、多くのご意見を賜れればと存じます。