活動報告

2020年度 博士後期課程学生の成果発表会 開催

 物質・情報卓越教育院(TAC-MI)では、2020年6月30日に学生の成果発表会を、Zoomを使用したオンラインにて開催しました。2019年4月に大学院教育プログラムとして本格的に始動してから2年目となる今回の成果発表会には、本プログラムの連携協力機関である企業関係者や本教育院のプログラム担当者、協力教員、学生など、学内外から約120名が参加しました。

当日のプログラム

10:00~12:20<第1部> D1学生による成果発表会
13:10~13:45<第2部> D2学生による自主設定論文進捗発表会

<第1部>D1学生による成果発表会

 成果発表会の前半第1部は、物質・情報卓越教育院の山口猛央教育院長からの開会挨拶の後、物質・情報卓越教育院の松下雄一郎特任准教授の進行により、博士後期課程1年の登録学生16名がこれまでの研究成果と今後の物質と情報を融合させた研究への発展等についての発表を行いました。
 説明6分、質疑応答2分に対し、説明スライドの枚数が多い学生も見受けられましたが、それぞれの研究の成果状況を聴衆にアピールすることが出来ました。特に、異分野の方に対し、自身の研究の伝え方を考え直す良い機会となりました。修士課程から博士後期課程へと進学し、必要とされる研究能力の不連続な進化を会員企業の皆様と共に支援していきます。

<第2部>D2学生による自主設定論文進捗発表会

 成果発表会の後半第2部では、午前に引き続き、松下雄一郎特任准教授の進行により、博士後期課程2年の登録学生4名が自主設定論文に関する進捗の発表を行いました。
 自主設定論文では、ラボ・ローテーション(自身の専門と異なる研究室に2週間程度滞在し研究を行う)や海外インターンシップなど、TAC-MIで得た学修成果を活用し、自らの博士論文研究とは異なる課題を自主的に設定して研究します。主体的に専門分野の枠を超えて物質と情報を用いた複素的な新しい考え方を持つ独創的な研究を自立的に行う能力を身につけることを目的として行っています。登録学生は、博士後期課程2年の6月の成果発表会もしくは12月の国際フォーラムにて、研究の進歩状況を発表した上で、博士後期課程修了時までに、実施した研究結果を報告します。
 今回の博士後期課程2年の登録学生4名の発表では、課題設定の背景や目的が導入部分で説明され、聴衆が理解しやすいように工夫がなされていました。昨年6月や12月のイベントでのプレゼンテーションの経験が生かされ、学生たちの成長を感じることができました。

松下雄一郎特任准教授による司会進行
D1学生による成果発表会 発表の様子
D1学生による成果発表会 質疑応答の様子
D2学生による成果発表会 質疑応答の様子

 発表会後のフィードバックシートでは、発表を聞いた教員や企業関係者より、発表学生各々へ多くの意見や感想、アドバイス等が寄せられました。

後日、企業関係者から寄せられた感想の中には、

  • 「物質✕情報」のプレゼンテーションは、萌芽期から実用期に入った技術の力強さをまざまざと実感でき、意義深いものでした。先生方が拓かれ、今日の学生たちが展開するこの技術は、ぜひ今後の日本の産業を支える強い武器になってほしいと思います。
  • 各々のテーマの「物質✕情報」の組み合わせについて、意識して情報科学を組み合わせ導入した研究も見られたように思います。最適な手法を選択する上での、学生の研究手法の引き出しを広げることに繋がり、素晴らしい事と思います。
  • 高いレベルでのプレゼンテーションだったと思います。これまで培った専門性を軸に物質・情報卓越教育院のプログラムの様々な環境下の元、異なる視点やアドバイスから新たな価値創造を起こす人財を生み出していける期待を持ちました。

など、学生たちが取り組む「物質✕情報」の研究に対し、期待の声が寄せられました。

また、学生へのアドバイスとしては、

  • 研究分野が多岐にわたるため、イントロダクション、研究の新規性をより強調すると企業研究者には理解しやすいと思います。
  • 取り組まれている研究によって、どのようなよいことがあるのか、社会にどのように貢献できるのか、といった視点の「研究の価値、目的」を冒頭で明確に示してもらえるともっとよかったと思いました。

など、プレゼンテーションに対するアドバイスがありました。いただいた意見や感想、アドバイスをこれからの研究に活かした、さらなる飛躍を期待します。

 今年度は、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、オンライン開催となりましたが、多くの企業関係者、教員、学生の皆様のご協力により、有意義な発表会を開催することができました。教員、企業関係者からは「Zoomの発表もグラフ等、画面が見やすく良かった」「学生の発表に集中して聞くことができてよかった」「対面に劣らない有意義な発表会だった」などの声も寄せられ、オンライン開催ならではの利点もありました。 一方で、「質疑応答の時間が短かった」「発表会後に学生と交流する場が欲しかった」などのご意見も寄せられました。参加者の皆様からいただいたご意見を今後のイベント運営に活かし、より有意義な活動にしていきます。

お忙しい中、成果発表会にご参加いただいた皆様へ心より感謝申し上げます。

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連絡先 東京科学大学 物質・情報卓越教育院事務室
tac-mi[at]jim.titech.ac.jp