活動報告

2022年度博士後期課程学生の成果発表会開催

物質・情報卓越教育院(TAC-MI)では、6月30日に、博士後期課程学生の成果発表会を、大岡山キャンパス ディジタル多目的ホールで開催しました。2019年4月に大学院教育プログラムとして本格的に始動してから4年目となる今回の成果発表会には、本プログラムの連携協力機関である企業関係者や本教育院のプログラム担当者、協力教員、学生など、学内外から約140名が参加しました。今回は、新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、企業関係者の対面参加は1社あたり2名までの制限を設け、対面とZoomのハイブリッド形式で開催ました。

成果発表会 発表学生集合写真

第1部 博士後期課程1年の学生による成果発表会

第1部の開会式では、物質・情報卓越教育院の山口猛央教育院長が開会のあいさつを行いました。続いて、博士後期課程2年の学生による司会進行により、博士後期課程1年の登録学生23名がこれまでの研究成果と今後の物質と情報を融合させた研究への発展等について発表を行いました。1人あたりプレゼンテーション6分、質疑応答4分の持ち時間で進められました。企業関係者や教員、先輩学生より活発な質疑があり、学生にとって自身の研究をアピールする良い機会となりました。様々な研究分野の参加者が集まるこの発表会は、様々な研究分野の参加者に対し自分の研究をアピールし、フィードバックを受ける良い機会となりました。

ディジタル多目的ホールでの発表会開会式
山口猛央教育院長による開会挨拶
D2学生が司会進行、運営を担当
博士後期課程1年生による発表の様子
参加者による活発な質疑応答
参加者による活発な質疑応答

第2部 博士後期課程2年の学生による自主設定論文進捗発表

第2部では、物質・情報卓越教育院の松下雄一郎特任准教授の進行により、博士後期課程2年の登録学生による自主設定論文に関する進捗の発表を英語で行いました。自主設定論文は、自らの博士論文研究とは異なる課題を自主的に設定して研究します。自身の専門と異なる研究室に2週間程度滞在し研究を行う「ラボ・ローテーション」や海外インターンシップなど、TAC-MIで得た学修成果なども活用します。専門分野の枠を超え、物質と情報を用いた複素的な新しい考え方を持つ独創的な研究を自立的に行う能力を身につけることが目的です。登録学生は、博士後期課程2年の6月の成果発表会もしくは12月の国際フォーラムにて、英語で研究の進歩状況を発表した上で、博士後期課程修了時までに、実施した研究結果を論文にまとめます。今回は今年度発表を行う予定の博士後期課程2年生のうち2名が発表を行いました。

松下雄一郎特任准教授による司会進行
博士後期課程2年生による自主設定論文進捗発表

TAC-MI優秀特別賞の表彰

第1部、第2部に続き「TAC-MI 優秀特別賞」の表彰を行いました。この賞は、今年度から新たに始まった制度で、特筆すべき成果(受賞成績や顕著な研究業績)をあげた学生に対して年1回表彰するとともに、副賞として追加の経済支援を行います。厳正なる審査の結果、5名の学生が受賞しました。

<TAC-MI 優秀特別賞 受賞者>

Hao Yingquan(物質理工学院 応用化学系 博士後期課程3年)
張 葉平(物質理工学院 材料系 博士後期課程2年)
横地 浩義(物質理⼯学院 応⽤化学系 博士後期課程2年)
山本 拓実(物質理⼯学院 応⽤化学系 博士後期課程1年)
巽 由奈(物質理⼯学院 応⽤化学系 修士課程2年)
TAC-MI 優秀特別賞を受賞した山本さん、山口教育院長、ハオさん、横地さん

企業メンターとの面談

研究発表が終わった後、コラボレーションルームとメディアルームにて、博士後期課程の学生と企業メンターとの面談を行いました。本教育院では1人の学生に対して、1人の企業メンターがつき、教育院登録当初から修了まで継続的に見守っていきます。今回は、博士後期課程の学生57名が企業メンターと面談を実施しました。この2年間面談はオンラインでの実施であったため、ほとんどの学生は企業メンターと初めての対面となりました。学生たちは自分の強み弱みを把握するだけでなく、研究や発表、キャリアパスなどの様々なアドバイスを受けることにより、研究やプレゼンテーション力、キャリア形成に活かすことができます。

連携する企業関係者の感想

発表会後の企業アドバイザー連絡会では、発表を聞いた企業関係者から発表学生へ多くの意見や感想が寄せられました。企業関係者から寄せられた感想を紹介します。

  • 初年度から参加させて頂いていますが、マテリアルインフォマティクスが徐々に日常のツールとして学生さんに浸透していっているのを感じます。どれも質の高い研究で私も大いに刺激を受けました。
  • 研究に上手く計算機科学を取り入れておられ、先生方のご指導のもと、本卓越大学院のプログラムが上手く運用されていることを実感しました。
  • 昨年、一昨年のオンラインでの発表に比べて、結果がここまで出ていることに驚きました。
  • 発表のレベルが高いと感じました。メンターとして担当している学生の成長が楽しみです。
  • 学生の分野の幅が広いのが印象に残りました。専門外の発表を聴くのがいいヒントになる可能性があります。

3年ぶりに対面開催した本発表会の最後には、意見交換会を開催し、企業の方と学生、教員が交流を深めました。また、面談や意見交換会だけでなく、発表後に寄せられた学生へのフィードバックシートを通じて、企業の方からアドバイスを受ける機会は、学生にとって貴重な経験となりました。

今後も物質・情報卓越教育院では、イベントを通して、社会サービスの実装を見据え、地球規模の視野を持った、産業界が期待する卓越した人材を育成していきます。

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連絡先 東京科学大学 物質・情報卓越教育院事務室
tac-mi[at]jim.titech.ac.jp